冬菜かしこの「ジムと畑とボランティア」の日々

二人娘は小学生、アラフィフママのどたばたな毎日の記録。

【エッセイ】ウオーターサーバー

ウオーターサーバーについて、

熟考したことがある。

どうして、「何本飲んでも、1か月無料」なんだろうかと。

 

事の発端はテレビで見た、ウオーターサーバーの通信販売。

いつものように、さらりと流すつもりでいた。

「やっすーい!」とか、

「今なら、半額!」

とか、気を引くセリフが想像できた。

「いやいや、もうこのパターン、いっぱい見てますがな」

と少々、食傷気味だったのである。

 

そんな気分で、

「今なら、1か月分、無料」

と聞いても、

「はいはい。分かっていますよ。

いつものことですよ」

と思っていたのである。

 

ところが、である。

私が気になったのは、その無料の本数である。

テレビのお兄さんはこういった。

「今なら、最初の1か月は、1本でも5本でも、無料です!」

 

んっ?

1本無料は分かるが、5本でも無料なのかい?

それはさすがに、大盤振る舞いが過ぎやしないか?

それに、そんなこと言ったら、

絶対に5本注文するでしょうよ。

後になって、しまったー、とかなるんじゃないの?

 

他人の会社の事ながら、

その気前の良さに、少々心配してあげた。

いくらなんでも、5本無料は、やりすぎではないか?

確かに、ミネラルウオーターの原価など、

低いのかもしれないが、

それにしても飛ばしすぎではないのか?

 

そこまで、考えて、少し想像してみることにした。

最初の1か月、ミネラルウオーターを5本、

無料で注文したお客さんのその後を。

 

まず、最初の月は、無料で5本のミネラルウオーターを注文する。

そして、2か月目、最初の月の習慣で、5本注文することになる。

さらに、3か月目、同じく5本注文することになる。

こうして、以後ずっと、5本を注文することになる。

 

おっ?おーーーーーーーーーー!

こういうことか!

最初にたくさん使う習慣がついてしまうと、

翌月からもずっとそのまま5本使い続けてしまう。

上得意様になってしまうのか!

なんてこった。

5本も無料で送ったら、大損害じゃないかと気をもんだ私が、

まるで無駄骨ではないか。

 

そして、もしも最初の月に1本しか注文しなかったら、

以後もずっと毎月1本しか使わないだろう。

そうか。

そういうことか。

なぞは解けた!

何事にも、意味はあるという事か!

 

よくよく考えてみれば、

この、「1か月無料」方式、

一見、親切に見えるが、

実は案外、ちゃっかりしている。

人の習慣にのっかろうとする、

なかなか用意周到な作戦なのだ。

 

そうか。

そうだったのか。

今まで気づかずにいたが、

もう、その手にのることはない。

私はもう、気づいてしまったのだ。

ミネラルウオーターが、初月5本も無料だとしても、

それにのれば、

毎月毎月、5本注文する羽目になってしまうという事を。

そんな、セレブなことを、

ケチな、いや、節約家を目指す私がしてはならない。

断じて、ならないのだ。

 

世の中には、

様々なサービス商品があふれている。

最初の1か月は無料、と言われて契約して、

そのまま解約を忘れるスマホのオプション。

1か月お試しでどうぞとなっている

化粧品のサンプル。

もちろん親切心なのかもしれないが、

そのままずっと「ご契約」になることも

多いのではないかと想像する。

いかん。

その手にのるほど、セレブではないぞ、私。

 

お金をたくさん手にすると、

人はあまり考えなくなる。

しかし、わりとタイトな家計の場合、

人はしっかり考えるのだ。

すると、何が無駄で、何が必要かが見えてくる。

こうして、頭をフル回転させて、

自分の使えるお金について、

しっかりと考えていくのだ。

 

そう考えると、お金に無頓着になるほど

ゆたかな財政状況も、それはそれで、

良し悪しなのかなと思うことがある。

 

例えば、テレビ番組であるタレントさんが言った、

「さくさんぼの食べ過ぎで、アレルギーになって、

今はもう食べられない」

との言葉。

 

そんなにたくさん食べるだけのお金があるのが

うらやましいとは全く思わなく、

ただただ、たくさん買えるのも考えものだ、

自制心の強い人はいいけど、

凡人は難しいかもと、思ったのだ。

そして、生活できる分しか手元にない自分が、

それはそれで、案外、いいのかもしれないと

思ったりもしたのである。

 

宝くじの高額当選者の末路が、

わりと暗いのだと聞いたことがある。

やはり、身の丈に合ったお金というのが、

いいのかもしれない。

などと思ったりもする。

 

とはいえ、たまには豪勢なステーキなど、

食べたくなってしまうのも事実。

なかなか難しいものだ。

 

ひとまず。

ウオーターサーバーのレンタルをするほど

セレブではないと自覚している私としては。

 

熱湯については、

今使っている電気ポットを、

少々汚れているのを洗って、

これからもしっかりと使っていこうと思っている。

 

そして。

冷水については、

コープで無料の水を、

専用のペットボトルを使って、

これからもしっかり、もらうつもりである。

 

ケチ、いや、節約家を目指す私としては、

まずは、きっちり財布のひもを締めて、

節約道を突き進んでいこうと思うのである。