冬菜かしこの「ジムと畑とボランティア」の日々

二人娘は小学生、アラフィフママのどたばたな毎日の記録。

【ジム】気が付けば、三年満了

二か月ほど休んでいたジムを再開した。

一日、二日と続けて行って、ようやく「通える」ようになってきたなと感じた。

ようやく私の日常が戻ってきたなと思っている。

 

思えば、折り込みチラシを見て「2か月無料」にひかれて

ジムの受付にいったのが3年前。

最初は「専業主婦なのにいいのかな、ぜいたくじゃないかな」

と思いながら始めたのだが、

自分のおこづかいで月謝を払う、という方式にしたことで、

そこまで主人に気兼ねすることなく、

通えているように思う。

 

もちろん、お小遣いで通っているからと、

当たり前には思っていない。

こうして通うことを許してくれているのは、

主人の優しさだということは、

忘れてはならないと思っている。

 

さて。

三年前のジム開始時に、自分自身で決めたことがある。

それは、「向こう三年間、外出用のおしゃれ洋服は買わない」ということ。

それまでの私は、古すぎる服を一新するため、

新しい洋服をちょこちょこと買っていたのだ。

そしてそれが一種のストレス発散にもなっていたようで、

気が付くと、一年で割とまとまった金額を使っていたようなのだ。

自分では気が付かないのだが、

家計簿をつけてみると、なんだかんだとよく買っていたように思う。

ひとつひとつは小さな金額でも、

頻繁に購入していると、少なくない額になるのよね。

 

自分のおこづかいでジムの月謝を払っていると、

当然ながら、洋服までは手が回らない。

だからこそ、最初から「洋服は買わない」と決めたのだ。

もちろん、下着や靴下、部屋着、最低限のジム着は、

例外とした。

そこまで規制してしまうと、

生活の質が低下するだろうと思ったからだ。

だからとにかく「ぜいたく品」だと思う外出用の洋服に限り、

向こう三年間は新しく買わない、と決めたのだ。

 

当初は、「無理なら無理でいっか!」という軽い気持ちだった。

自分がそんなにストイックな性格でもないことは百も承知だったし、

自分で決めた自分へのルールなど、

破っても誰にも文句を言われないだろうと思っていたのだ。

そしてしばらくはそんな気楽なルールを、

少し楽しんでいるようなところがある。

しかし、少しずつ気持ちに変化が表れてきた。

 

「洋服を買わない」と決めただけで、

おこづかいが、ガンガン、貯まるようになってきたのだ。

特に節約を意識したわけではない。

欲しいものは買うし、

必要なものはきちんと購入する。

にもかかわらず、お金がどんどんたまっていく。

 

「これは、何?どうした?」

自分自身良く分からず、考えてみた。

自分自身の行動がどう変わっていったのか。

そして、考えてみてようやく分かった。

「買わない体質」へと変化していっていたのだ。

 

はじめは単純に「外出着を買わない」と、

ただそれだけだったのだ。

ジムのある大型商業施設内は、

きらきらした洋服屋さんがあちらこちらにある。

当然、最初はちょこちょこのぞいては、

「あれ、素敵。これ、着たい」となっていたのだ。

そして、

「でも、今は変えないよね。3年我慢だもんね。ジムの月謝のためだもんね」

と我慢していたのだ。

でもだんだんに「我慢するくらいなら、洋服屋さん、のぞかなきゃいいじゃない」

と思うようになり、実際に入らなくなった。

別に入らなければ、それはそれで、無理なストレスもなく過ごせた。

1か月、2か月、と続けるうちに、それが当たり前となり、

次第に普通に素通りできるようになった。

そして最後は、何の感情の変化もなく、

洋服屋さんを通過することができるようになった。

「いままで、どうしてあんなに、洋服に執着していたのか」

と思うまでに、気持ちが落ち着くようになった。

 

ここまでくれば、あとはとても楽だ。

たまに、靴下や下着を買う位で、

十分に「買うこと」を楽しむようになったのだ。

高いものを買わなくても、流行のものを買わなくても、

しっかりと満足できる自分になれたのだ。

 

そんな風に「余分なものを欲しがらない」という自分になることで、

洋服のみならず、あらゆるものを吟味する癖がついてきた。

「これは、必要なのか?」

「あとで後悔するのではないか?」

「安いから、という理由に踊らされていないか?」

しっかりと熟考するように変化していった。

この「洋服からの波及効果」は、

自分でも想定外のことで、少し驚いた。

でも、いいことだと思っている。

 

もちろん。

小市民の私だから、

そうはいってもたまには「いらんもん」を買うこともある。

少額のおかしなど、「買っちゃうのよねー」というものも、わりとある。

でも、以前のように、浅い考え方で何かを購入する機会は、

ぐっと減っていったように思う。

それは自分でも素敵なことだと感じている。

だからと言って周囲を巻き込んで、

「あなたもしなさい」とは思わない。

人はそれぞれなので、

好きにしてもらった方がいいと、思っている。

窮屈な押し付けは、

あまり良いことにならないような気がする。

 

さて、ジム開始から、三年が満了した。

「何を買ってもいいよ。おしゃれな外出着も買っていいよ」

と自分に解禁命令をだした。

ところが。

いざ、久々に洋服を買おうと思って洋服屋さんに入ってみると、

その価格の高さに腰がひけて、

とてもじゃないけど、即決で何かを買う気にはなれない。

1足250円の靴下とか、1着1000円のTシャツとか。

そんなフィールドでしばらく生きてきたものだから、

1着5000円のスカートとか、1着9800円のワンピースとか、

ちょっと軽く、くらくらする。

今の私の日常とかけ離れすぎているので。

 

果たして今の状態、今のお金の価値観が、

いいのか悪いのかはよく分からない。

ただ、以前の自分の価値観に戻り切ってしまうのは、

ちょっともったいないような気がしている。

せっかく、こんなストイックな感覚が身に着いたのですから。

 

だから。

ゆっくり考えていこうと思う。

「3年経ったから、すぐに、洋服買いましょう」

というのではなくて。

以前の自分の価値観と、今の自分の価値観と。

どちらともの良いとこどりの、ハイブリットな価値観を、

これから作っていこうと思っている。

どんな価値観になるのか。

今は到底分からないが。

少しだけ、ワクワクしている。

今の自分の人生が、ちょっと面白くなってきた気がしているのだ。