冬菜かしこの「ジムと畑とボランティア」の日々

二人娘は小学生、アラフィフママのどたばたな毎日の記録。

【ジム】文化系の方へ

スポーツジムは、体育会系の天国である。

などと、思っている人もいるかもしれない。

 

マッチョな感じの、いかにもな人が、

走ったり、持ち上げたり、踊ったり。

「体育会系グループ以外、立ち入り禁止」

とばかりに、自分たちと似た人集めて

ジム生活を謳歌していると

思っている人も多いかもしれない。

 

しかし、私は声を大にして言いたい。

「そんなこと、ないよ、たぶん」

 

私がジムを始めたのは、独身時代、

同じ職場の女性の方が、

「ジム、行ってみたらいいんじゃない?」

と言ってくれたから。

その人は、見た目も中身も、超体育会系。

家でじっと読書するなんて想像がつかない。

実際、そういうタイプではなかったと思う。

 

時間が取れたら、

テニスをして、登山をして、バイクに乗っていたらしい。

暇さえあれば、アクティブに何かチャレンジして、

はたから見ていても

「疲れませんか?」

と心配するほど。

でも、ジムも楽しく通っていたようで、

いつもわちゃわちゃとジム話をされていた。

体育会系とジム。

やはり、しっくりくるなあとは思う。

 

実際、ジムに通っている人って、

運動好きそうな人も多い。

「好きこそものの上手なれ」

と言う言葉もあるとおり、

運動好きな人は大人になっても、

ずっと運動好きなのだなあ、と思うこともある。

 

しかし。

だからと言って、

文化系の人がジムに全くいないのかと言えば、

さにあらず。

周りを見ると、わりと、

「文化系なのでは?」

というタイプの方も少なくない。

みなさん、楽しそうにエアロとかしていらっしゃる。

 

要するに、文化系でも、体育会系でも、

そんなのはおおまかなカテゴリーに過ぎず、

「ジムって楽しい!」

と感じることに、

それらの区別はあまり意味をなさないような気がする。

大切なのは、ジムをするぞという意気込みと、

そして楽しく通い続ける、

と言うことのような気がするのだ。

 

では、私自身はと言うと、

どちらともいえず、というのが本音だ。

ん?どゆこと?

と思われるかもしれないが、

私自身は、どちらも経験があるのだ。

 

もともとは、読書好きな子供で、

親が買ってくれた絵本を繰り返し読むような子。

小学校の図書室で、興味のある本を片っ端から借りてきて、

今思えば、それがないと生きていけないくらいに、

本当に多くの本を読んでいた気がする。

 

母の「ごはんよー」の声にさえ、

「今、いいところなのに」と思うほど、

それはそれは夢中になっていた。

 

しかしそんな筋金入りの文化系の私なのに、

なぜか近所の女の子の友達に、

クラシックバレエ、習いに行こうよー」

と誘われ、通い始める。

さして得意でもなく、どちらかと言えば、

平均よりだいぶ下の方の上達ぶり。

でもみんなと一緒に遊ぶのが楽しくて、

気が付けば小1から小6まで通ってしまったという

なりゆきまかせ人生。

 

しかし、いつのまにか体、

特に体幹が鍛えられ、

体育のマラソンで先頭集団に入ることもしばしば。

体育会系の要素が入ってきはじめた。

 

加えて。

小6のクラスメイト5~6人で、

「テニス部入ろー」

と盛り上がり、そのまま入部した。

当時、「エースをねらえ!」が流行っていたのだ。

皆が自分を「私、岡ひろみになるわ!」

と思っていた時代。

(懐かしい)

そんなのん気な動機で、

ゴリゴリの体育会系のテニス部に入部した。

 

そして、入部すれば、

体育会系特有の、

「上下関係、絶対、厳守!!」

の環境に身を置いて、

なんでやねーーーん、

を繰り返す日々。

同学年の友達で、お互いにお互いを励まし合って、

「先輩厳しすぎるわー」

と愚痴を言い合ったりしていた。

そのころには気づかなかったけれど、

後々の自分の人生にとって、

「運動部の、上下関係の理不尽に耐える」

と言う経験が、

ものすごく、生きる力を与えてくれたように思う。

 

あのまま読書好きな文化系の子でいたら、

絶対に理解できないであろう、

「先輩は絶対、の掟」。

それを私は中学の時に学んだのだ。

それはちょっといびつだけれど、

今となっては、

「世の中、理不尽なことを言ったり、したりする人、いるよね」

という良い社会勉強になったように思う。

 

そうして、文化系も体育会系も経験した私が思うのは。

 

ジムは、そんなの関係なく、楽しめるよ、

ということ。

 

確かに、体育会系のリズム感があり、

ダンスがうまく、

力もある人の方が、

エアロも上手だったり、

ランニングマシンとかいつまでも走っていてすごいとか、

あるかもしれないが、

あくまでも、ジムの主役は「自分」。

だれかに褒めてもらっても、

ほめてもらえなくっても、

どちらでもいいこと。

要は、自分との約束、なのだ。

 

「体を鍛えたいから」

「健康になりたいから」

「病気になりにくい体を作りたいから」

 

そうした目的があるのなら、

どのようなタイプであれ、

さして気にすることはないのでは?と思う。

そして両方経験した私が思うのは、

「意外と、体育会系の人って、

優しい人も多いんですよ」

ということ。

 

声が大きいとか、

筋肉モリモリとかで、

勘違いしているかもしれないが、

それと優しさとはあまり関係ない。

 

要は、こちらがきちんと良識ある態度でジムを利用していれば、

それほど理不尽なことを言ってくる人ばかりでもない。

 

私は中学のテニス部に入って、

「テニスめっちゃうまいのに、

なんでこんな低姿勢?

なんでこんな優しい?」

という人、いっぱい見てきた。

そして、どちらかというと、

練習を真面目にしていなかったり、

部活を途中でやめたりする人に、

困ったタイプの人が多かった印象。

 

だから、文化系とか、体育会系とかよりも、

「その人が」どんな人か?

と言う問題なのだと思う。

 

だからどうか、

「どうせ体育会系が幅を利かせてるんでしょ?」

とか思わないでほしい。

是非、一回、体験してみてほしい。

すでにジムを始めている方は、

それほど気にしないでほしい。

 

お互いのタイプで反目し合うより、

協力して、いい雰囲気を作っていった方が、

よほど楽しいと思えるのだ。

 

私の友達で、ばりばりの体育会系の人がいる。

彼女の言葉が今も私の心にあるので、

ちょっとご紹介。

 

それは私が学校のホールで本を読んでいた時の事。

「読書している姿が似合っていいねえ」と。

 

彼女はその体育会系の容姿から、

あまり読書している姿が様にならないと思っていたようす。

別に、読書は、様になろうがならまいが、

関係ないとは思うのだが、

彼女はちょっとうらやましそうにほめてくれたのだ。

それは、きっと、

「隣の芝生は青い」なのだな。

私だって、球技が超苦手なので、

バレーボール部というだけで、

彼女がうらやましかったのだ。

 

お互いに。

そういうこと。

だからどうか、ジムで、文化系とか、体育会系とか。

気にしないでほしい。

大事なのは、それを楽しむ気持ちがあるかどうか。

周囲は思ったほど、どちらのタイプかなど、

気にしていないよ。

と私は言いたいのである。