6月の入院以来、ずっとお休みしていた小学校の読書ボランティア。
ようやく今日から再開した。
本当は、もう少し体調に留意しようかとも思っていたが、
なかなかメンバーがそろわないので、
小学校のボランティア管理の先生からお声をかけていただいた。
そして、きりのいい、三学期からの再開となった。
今日読んだクラスは、支援学級。
少し発達の遅い子のクラスで、5人ほどしかいなかった。
少人数なので、普通級のようなスライド画面ではなく、
普通の対面での読み聞かせとなった。
2冊ほど用意して、どちらがいいか児童に聞き、
多数決で「パンどろぼう」に決まった。
この本は人気があるらしく、パート2も出ている。
だから面白さは太鼓判なのだが、
いかんせん人気があるため、
すでに読んでいる子もいるのでは、
という中でのスタートとなった。
久しぶりの読み気かせ。
対面で、5人だけ、とはいえ、
ちょっと緊張して、
ちょっとハイテンションになって、
おかしな間合いの読み方に。
ありゃりゃ、と心の中でつぶやいて、
「どうした、私。こんなに緊張するキャラじゃないでしょ」
と自分で自分をつっこんで。
それでも変なテンションは変わらず、
納得のいく、流ちょうな読み方にはならなかった。
それでも、児童は優しかった。
早口になっても、妙な間が空いても、
とまどうことなく受け入れて、
キラキラした目で絵本を見つめてくれた。
私の読む本が、本当に楽しいかのように。
だから私も安心して読んだ。
途中、絵本の中の「オチ」を先走って、
言ってしまう子もいたが、
周りの子が気にしないので、
私も「そうだねー」と流して、
大したことではないかのように、
読み進めていった。
この「オチをばらす」行為は、
普通クラスでもあったこと。
すでに経験済の私は、
またやね、っていう感じで、
かるーく流していった。
15分の持ち時間が少し余ったので、
担任の先生の提案で、
児童の感想を聞くことになった。
「感想ある人ー?」と声がかかると、
3人ほど手が挙がり、
「面白かったです」
との予想通りの答えが返ってきた。
そのうちの2人は、
「読んだことあるから、面白かったです」
とのことで、最初は「んっ?」と思った。
すでに読んだことある本なら、
「内容を知っているからつまんなーいー」
となるんじゃないの?
と、私の頭の中は「???」疑問符でいっぱいになった。
実際、うちの二人娘は、
自宅の本は内容を知っているから、
読書ボランティアには、知らない本を読んで、
とせがんでいたのだ。
でもふと、思った。
「ここ、支援学級だった」
すべての普通学級の子が、
新しい本を求めるわけではない。
すべての支援学級の子が、
すでに読んだ本を求めるわけではない。
でも、もしかしたら。
支援学級には、読みなれた本を楽しむ、
という子が多いのかもしれない、と。
そんなことを思った。
世の中にはいろんなタイプの人がいて、
それぞれに違った生活をしている。
自分の生活スタイルが正しいと、
そんな風に思う人も、少なくないと思う。
実際。
私も自分の価値観が正しいと思う場面も少なくない。
でも、一歩引いて、周りを見て見ると、
それぞれの人がそれぞれの価値観で生きていることに気づく。
ああ、だから世の中は、楽しいのだと。
ああ、だから世の中は、飽きないのだと。
そんな風に思う時、
世の中がちょっと好きになる。
自分以外の、様々な考え方をする人の中で、
自分は生かされていることを感じる。
きっとこれからも色々なことに気づきながら、
生きていくのだろう。
そのひとつの場所として、
私には読書ボランティアがある。
色々な人が色々な本を読んで、
色々な人が色々な感想を述べる。
そう考えると、再開したばかりなのに、
次の読書ボランティアに、わくわくしてしまう。
上手下手はあまり考えずに、
私なりの読み聞かせをしていこうと思う。
どんな感想がやってこようとも、
たとえそれが苦言だったとしても。
すべてを受け止めて、
それすらも自分の糧にしていきたいと思う。
小学校のさまざまなクラスの子供たちに。
自分なりの読書ボランティアを届けていきたいと思っている。