冬菜かしこの「ジムと畑とボランティア」の日々

二人娘は小学生、アラフィフママのどたばたな毎日の記録。

【エッセイ】畑の恵みの雨に思う

先日は、週間天気予報の通り、朝からザーザーと雨が降る一日だった。

 

前日、「今曇っているということは、明日はやはり雨か」と思っていた。

そして予想通り、今は雨が降っている。

いつもなら、「畑の恵みの雨だ。今日は水やりしなくてラッキーだっ!」

と喜ぶところだが、今日は、少々複雑な気持ちだ。

それは、「昨日のうちに、やはりキャベツの苗を植えておけばよかった」と、

後悔をしているから。

 

私はいつも出来るだけ、雨の前日や、小雨の当日に、苗を植えている。

なぜなら、そうすると苗を植えてすぐに雨の水分を求めて、

苗が根を伸ばしてくれるから。

そして、その後の成長が良いからだ。

 

だから昨日も、庭に仮植えしているキャベツ苗とジャガイモの種芋と、

出来ればホームセンターでキャベツ苗を買い足して、

市民農園に植え替えておきたいと思っていたのだ。

 

そして昨日は用事でホームセンターのすぐ近くを自転車で通ったので、

キャベツ苗を買い足そうと思えばすぐに買えた。

 

だけど。

実際にはホームセンターには寄らず、その横をあっさり通り過ぎ、

まっすぐ自宅に帰った。

「明日、雨が降るだろうから」と、畑の水やりもせず、

畑仕事に全く手を付けずに、一日をやり過ごした。

我ながら、ぐうたらだった。

 

前日は。

用事があって外出して、二時間半ほどして帰ってきて。

それで疲れて、くたびれ果てて、何もできなかった。

疲れたから、何をする気分にもなれなかった、

そういうことなのだ。

ただ。

胸に残っているのは、

「畑にとって大事な雨を、有効利用できなかったこと」

に対しての、自分へのちいさな失望。

 

「本当に疲れていたのか?お店で苗を買って植えるだけなのに?」

とも思うし

「仕方ないよね。疲れていたんだもんね」

とも思う。

でも。

いずれにしても、すっきりとはしない。

ずっともやもやする。

この原因は、一体なんなんだろう?

気になって、ちょっと考え込む。

 

しばらく。

ぼんやりと考えてみた。

どうして。

どうしてなんだろう、と。

頭をからっぽにして、考えてみた。

 

そうして、ふと、気が付いた。

ああ、そうかと。

せっかくの畑の恵みの雨に、

今日の私ががっかりしている理由。

昨日、キャベツとじゃが芋を市民農園に植え付けなかったことを、

これほどまでにガッカリしている理由。

 

それは、たぶん、とても単純に、

「畑仕事が好きだという事。それも、大好きだという事」

畑仕事をおそまつにするほど、他の用事に気力と体力を持っていった自分に、

きっと私はがっかりしているのだ。

そして最近は、子供と早寝することもなく、夜時間を楽しみすぎて、

ちょっと体がだるかったりしたのに、

改善しなかったからなのだ。

 

 

自分の生活の中で、何が大事で、何を優先させるべきか、

出来るだけ考えて行動していたのに、

今回は出来ていなかったのだ。

それで恵みの雨を利用できなくて、がっかりしていたのだ。

つまりは、自分の自制心のなさに、自分でちいさな失望を感じていたのだ。

 

そうと分かれば、することは見えてくる。

いつもいつも、ダラダラと夜更かしをしないこと。

そこで体力を使ってしまわないこと。

そして、用事があったとしても、一度に大量に解決しないように、

計画を立ててこなしていくこと。

もちろんロボットではないから、予定は完璧には出来ないにしても。

少なくとも自分に失望するようなことが減るように、

考えていきたいと思う。

 

結局。

何事も自分次第なのだなあ、と。

吐き出し窓の外の、ザーザーという雨音を聞きながら、

ちょっと哲学的なことを考えた一日だった。

なんて面倒くさい性格の私。

とほほ、だな。