冬菜かしこの「ジムと畑とボランティア」の日々

二人娘は小学生、アラフィフママのどたばたな毎日の記録。

【エッセイ】みかんの箱買い

先日、みかんを箱買いした。

 

毎年箱買いしているわけではなく、

今年は主人が実家の片付けの為、

隣の県で年越しをするので、

残された私と二人娘とで、

なんとなく手持ち無沙汰なので、

箱買いしようと思った次第。

 

隣の県の主人の実家は、

今の自宅よりも西にあるが、

かなり寒い。

大して変わらないだろうと思っていた新婚の頃、

主人の実家に帰省した際、

庭の松の木に、どっかりと、

10センチはあろうかという雪が積もっているのを見て、

「こんなに寒いのか」と驚いた。

 

そして、数年に一回は、義理の父から、

「今年は寒いから帰って来なくてもいいよ」

と言われた。

そのくらい、確かに寒いところだった。

今は施設に入っているので、

義理の父のそんな気遣いは、

もう懐かしい過去の出来事になってしまったが。

本当に寒かったなあと、

今でも思い出すのだ。

 

義理の父は今は病院に入院していて、

そのまま年を越すそうだ。

疫病の昨今、私達が家族で面会できるわけではなく、

主人はなんとか面会できるそうだが、

そういうわけで主人は一人での帰省となった。

二人娘は「おじいちゃんの家にいきたーい」

と言っていたが、

「一人の方が実家の片付けがはかどるから」

と主人が言うので、私たち3人は、お留守番となったのだ。

 

さて、年末年始用のみかんの箱買い。

今年は二回も買ったのだ。

なぜなら、一回目のみかんがかなりのスピードで

なくなっていったから。

気が付くと私も次女も、

驚くべきペースでみかんの皮をむいている。

それに触発されてか、

最初はさほどでもなかった長女も、

夕食後などに、「みっかん、みっかん♪」

とつぶやきながら、うれしそうに口に運んでいる。

 

「みかんで水分補給しないでくれる?」

と言いたくなるほどのハイペースに、

ちょっと、待ったをかけたくなる時もある。

自宅にみかんの木があるわけじゃなし、

毎度毎度買っていると、

それはそれで結構な出費でもあるのだ。

 

でも。

娘のみかんに待ったをかけると、

自分もある程度控えなくてはならない。

それは、したくない。

なぜなら。

私もみかん好きなんだよねー。

しかも今年は、みかんがおいしい。

びっくりするくらい、おいしい酸味がぎゅっと詰まっていて、

食べるとなんとも幸せな気持ちになるのだ。

みかんの当たり年。

なおさら、やめられないのだ。

 

なので、自分がやめられないので、

二人娘にも、やめてとはいえないわけで。

結局、3人でぱくぱくとみかんを食べて、

みかんの皮をせっせと製造している次第だ。

 

いろいろ思うところはあるものの。

みかんって1箱1500円から2000円くらいのもの。

今年は2箱買ったものの、それもたかが知れている金額。

それで家族が幸せになるなら、安いものだと、

そんなふうにも思うのだ。

 

コロナやら、家計やら、いろんな理由で外出を規制している我が家で、

せめてみかんくらいは思いっきり食べさせてあげたいなと、

思ったりするのだ。

 

そういえば、私が子供の頃、

果物はよく箱買いしていたな。

苺やら、ぶどうやら。

イカは祖母宅に行った時、

畑からまるごとのスイカを切ってみんなで食べていたっけ。

 

みかんも例外ではなく、

冬はみかんを箱買いしておいてあり、

家族はなんにも遠慮することなく、

ぱくぱくと食べていたように思う。

 

さしてぜいたくな食材を食べた記憶はないが、

お弁当には必ず果物が入っていたりして、

我が家は果物に関しては、

わりとふとっぱらだったように思う。

だからこそ、自分の娘達にも、

あまり「節約、節約」言わず、

「みかんくらいは」

と思うのかもしれないな。

 

庭に苺を植えるのも、

思いっきり食べてほしい気持ちもあるように思う。

「自分がしてもらったことは、

自分の子供にもしてあげたい」

そう考えるものなのかもしれないね。

 

朝食の時はもちろん、おやつの時も、

夕食の時も、なんでもないひまな時も。

とにかく、みかんを食べまくる次女。

 

私の高校の友人は、みかんの食べ過ぎで、

掌が黄色くなっていたので、

次女もそんな風にならないか、

若干の不安はあります。

そのため、少しは「食べすぎだよ」

と言った方がいいのかな、とも思ったりする。

 

でも、せっせとみかんの皮をむいて、

おいしそうにみかんをほおばる次女の笑顔を見ていると、

ついつい、

口出しするのが悪いような気がしてくる。

 

「食べすぎたら、晩ごはん、食べられなくなるよ」

たまに、その程度の注意で済ませるだけ。

でも、まあ、今はそれでいいかな、とも思っている。

 

年がら年中、食べているわけでもなくて、

冬の「お正月みかん」を楽しんでいるので、

いきすぎだと思うまで、

もうしばらくは、このまま。

皆でみかんを楽しもうかと思っている。

 

「こたつで、みかん」

日本人に生まれて良かったと思う、

うれしいシチュエーション。

娘たちもそれを受け継いで、

ずっとずっと、覚えていてくれたらと思っている。

ささやかな楽しみを抱きしめられる人に、

育ってくれたらうれしいなと、

そんなふうに思っているのだ。

 

もうすぐ、お正月。

今年はどんなお正月になるのか。

今からわくわくしている私なのだ。