ベランダの手すりを、ペンキで塗った。
ペンキの量が足りなかったので、少々塗り残しがあるものの、
大半はしっかりと塗ってあり、日の光でピカッと、てかっていました。
塗っているところは光っていて、
塗られていないところはくすんだまま。
やはりきれいに塗られていると、気分も良く、
ずっと眺めてしまった。
家の家具にはペンキを塗ったりするが、
こうしたコンクリートの手すりを塗るのは初めてだった。
あまり「初めて」のことは得意ではないのだが、
どうしてもしなくてはならない状況になり、
仕方なくペンキを塗ったのだ。
「どうしても」の理由は、元のペンキがはがれてしまい、
下地のコンクリートがむきだしになり、
黒ズミ始めていたから。
最初はそれほどでもなかったペンキのはがれた個所が、
日を追うごとにどんどん増殖していって、
気が付いたら結構な面積になり、
さすがに「このままでは、朽ちてしまうかも」との焦りが出てきたのだ。
かといって、業者さんに外注すると、外壁は結構な高価格。
専業主婦の私には、その選択肢はない。
仕方なく自分でホームセンターに行き、
スマホの写メで取っておいたベランダの色と見比べて色味を決め、
小ぶりな塗料を購入して自前で塗ってみた次第。
最初はあまり気がのらず、購入してからもしばらく寝かせていたのだが、
冬が近づいて、コンクリートの地肌が大きくなり、
いよいよ追い込まれて手を付けた。
でも、いざやってみると思いのほか楽しくて、
塗り始めてからは結構ノリノリでやっていった。
掃除でもなんでも、
「汚れがひどいほどやりがいってある」もので、
ペンキにしてもそんなもので、
「コンクリがはがれていてひどい」ものだから、
塗っていくと劇的にきれいになっていき、
「やりましたよ感」が感じられて、本当に気分が良かった。
スマホで写メ撮っていったからペンキの色の選択も申し分なく、
全く同じではないものの、
元のコンクリに違和感なく溶け込むいい感じの色味。
「我ながら、色の選択は正しかった」とホクホクだった。
と、ここまではいいことしか書いていないが。
もちろん、完璧なものになったかと言うと、さにあらず。
やはり愚痴る箇所はある。
それは「はがれかけの塗装の膜」のこと。
どうやらうちのベランダの塗装には「何重にも塗装を重ねてできた、塗装の膜」
のようなものがあるのだね。
それはまるで一枚ビニールシートをはっているような。
それがはがれる前であれば、その上からペンキを塗れば、
何の問題もなく保護できるわけだ。
ところが私はかなり放っておいたので(築20年程の家です)、
塗装の膜が、べろっとはがれているのだ。
それがきれいにはがれるわけではなく、
うろこ状にまだらに、あちこちひっかいたように、
めくれあがってコンクリをむき出しにしているのだ。
本来はめくれた部分をきれいに処理して、がさがさのふちをなくして、
平らにしてからペンキを塗るのだろう。
でも早く処理したかった私は、その手間をはぶいて、
すぐにペンキを塗りたくっていった。
古いペンキがめくれあがっていようが、ふちががさがさだろうが、おかまいなしに。
なので当然、コンクリの部分はざらざら。
元のペンキがまだ残っているつるつる部分と比べると、
全くの別物の仕上がり。
「これは、ないな」と素人目にもダメ出しをしてしまうような仕上がり。
でもとにかく雨が降って、これ以上コンクリが痛んで、
雨がコンクリにしみ込むのを防ぎたかったので、
ひとまずはこれで「応急処置」。
あとはゆっくり「本来の処理」をしていこうと思う。
そういえば、ホームセンターのペンキコーナーにあった、
「これを塗れば、ペンキの持ちが違います」という文言の、
よくわからない塗料があったっけ。
もしかしたら、それが「ペンキの下地の塗料」であり、
コンクリをつるつる塗装にしてくれる優れものなのかもしれない。
なんでも、やってみないとわからないことって、あるんだなあ、と
しみじみ思った。
そして今回学んだこと。
ペンキがはがれ切ってしまうと、
コンクリがむき出しになってしまい、
その後処理が非常に大変だったなあと。
「手遅れになる前に、予防することが大切」
なんだよね。
そんなこと、分かっている。
だけれども、それが出来なくて、またに落ち込む。
そんなもんなんです、私ってやつは。
そんな自分に少々がっかりしながらも、
きれいにペンキが塗られた部分を見ながら、
まんざらでもない気分で、
「なかなかじゃんっ」と自分をほめる単純な自分の事を、
ちょっと好きだったりする。
あまり自分を美化しないで。
それでもそこまで卑下もしないで。
そこそこの自分の事を「親ばか」ならぬ「自分ばか」になりながら、
いろいろ楽しんでやっていこうと思っているのだ。